豚辞典

豚辞典

豚に関する用語・豆知識等をまとめました。
お客様の豚ライフのお役に立てれば幸いです。

大ヨークシャー種

イギリス原産。大きくて白い豚です。映画「ベイブ」の主人公はこの大ヨークシャーです。足腰が強く、哺育能力が強いことから雌系の豚として利用されます。産子が多いのも特徴です。

中ヨークシャー種

イギリス原産。日本では単にヨークシャーとか中ヨークと呼ばれることもあります。毛色は白く、皮膚は淡赤色。中形のブタで体重は雄で250kg、雌で200kgほどになります。性質はおとなしく、早く成熟するのが特徴です。昭和30年代には全国の飼養種豚の80%を占めていましたが、現在はかなり稀少な種豚となっています。

ランドレース種

デンマーク原産。大ヨークシャーを改良した品種です。繁殖能力が優れていることから雌系として利用されます。体は白く、大きく垂れた耳と長くゆとりのある体型が特徴です。

デュロック種

アメリカ原産。ニューヨーク州のデュロックと称する赤色豚とニュージャージー州のジャージーレッドとが交配されて成立したもので、従来、デュロック・ジャージー種と呼ばれていましたが、現在ではデュロック種と短称されています。
体は赤、黄、褐色などいろいろです。産肉性(お肉を付ける能力)が高く、霜降りになりやすいのが特徴です。

バークシャー種

イギリス原産。黒色の地色に、顔の一部と四肢下端および尾の先端が白く、「六白」言われている豚です。筋繊維が柔らかく、理想的な脂肪がつくと言われています。「黒豚」と称することができるのは、この純粋バークシャー種だけです。

ハンプシャー種

アメリカのケンタッキー、マサチュセッツ州の原産。体は黒色で背から前肢にかけて10~30cm幅の帯状の白班(サドルマーク)があるのが特徴で背脂肪が薄く筋肉量が多く、肉質も良好でアメリカでは登録頭数が最も多い豚です。日本では昭和50年代まではメジャーな種豚でしたが、現在は稀少な種豚になっています。

三元豚

三元豚とは、例えばランドレース種、大ヨークシャー種、デュロック種といった3つの品種の豚を掛け合わせた「三元交配豚」のことで、それぞれの品種のいいところどりをして、おいしい豚肉を作り出そうというものです。
三元豚というブランド豚があるわけではありません。
豚肉の生産者の方が、それぞれにこだわりをもって品種を選び出し、オリジナルの三元豚を作り出しています。同じ品種の掛け合わせでも、育つ環境や与えられる餌によってまったく違った味になるのもおもしろいところです。

SPF豚

SPF豚とは、豚の健康に悪影響を与える指定された特定の疾病が存在しない豚のことをいいます。
このSPFとは Specific Pathogen Free (スペシフィック パソージェン フリー)の頭文字3つをとった略語で『特定病原不在』という意味です。
SPF豚は、疾病のストレスが少ないので発育が非常に早いのが特徴です。つまり、豚本来の発育能力が十分に発揮されるので、添加剤に頼る必要がないのです。
さらに、SPF豚の肉は柔らかくて美味しく、豚肉独特の獣臭(酸味)も少ないといわれています。
このように、きれいな環境で育成された健康豚がSPF豚です。

金華豚

中国浙江省金華地区原産で、
『中華高級食材』の金華ハムの原料豚として有名。
頭とお尻の部分が黒い純粋種は、両頭烏とも呼ばれている。

豚の語源(その1)

豚という言葉の語源には、いくつかの説があります
・「ブーブー」という豚の鳴き声に由来する説
・「太い」の「フト(太)」が転じたとする説
・「ブタ」は東南アジアで「腿(モモ)」の意味で、中国から輸入されたブタの腿の剥製から、日本では「ぶた」という動物名になったという説
どの説が本当かは、はっきりとしていないようです。

豚の語源(その2)

沖縄では、豚のことを方言で「ウヮー」といいます。中国語から伝わったもので、語源は鳴き声からと言われています。「ウヮー語圏」はインド、東南アジア、ポリネシア、フィリピン、中国南部、台湾まで及んでいるとか。

豚の語源(その3)

中国や台湾ではブタを「猪」と書きます。イノシシは「野猪」または「山猪」と書くそうです。
十二支でいう「亥」は日本ではイノシシのことを指しますが、中国や台湾ではブタとなっており、亥年ではなく豚年になるそうです。

豚の語源(その4)

漢字の「家」の字は、大昔の高い住居(宀)の下にイノシシ(豕)がうろうろして餌をとる姿を表現しています。豚(イノシシ)は大昔から生活に密着した動物だったようです。

豚肉と健康(その1)

豚肉に含まれる栄養成分は、タンパク質、脂質、灰分、カルシウム、鉄分、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2など。
特に多く含まれるタンパク質は、必須アミノ酸を多量にバランスよく含んでおり、体内でのタンパク質の吸収効率にとても優れています。これは、植物性タンパク質の代表、大豆と比べても豚肉の方が優れているそうです。
豚肉消費量の多い沖縄の人が健康で長寿なのは、三大栄養素であるタンパク質を効率よく体内に取り入れていることが理由のひとつだと言われています。

豚肉と健康(その2)

豚肉には、他の食材の郡を抜いてビタミンB1が豊富に含まれています。(牛肉のおよそ10倍)。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに替える際に必要な栄養素で、ビタミンB1が不足すると、体の中に蓄積された糖質がエネルギーとして燃焼されにくくなり、乳酸などの疲労物質として体にたまってしまい疲れやすくなります。ストレスに対して弱くなったり、忍耐力がなくなったりするのも、ビタミンB1不足でおきる一般的症状だそうです。
ビタミンB1を多量に含む豚肉は、疲労回復にもってこいの食材なのです。「疲れたな〜」と思ったら、豚肉を食べて元気を出してください!

豚肉と健康(その3)

豚肉料理を食べて、なんだかわからないけど幸せだな〜と感じたことはありませんか?
実はこれには、科学的な根拠があります。
心が健康になる(幸せだと感じる)というのは、脳がリラックスしている状態です。
医学的にこの状態を作り出すこともでき、モルヒネがその代表例としてあげれらます。
健康な人であれば、スポーツなどで爽快感を感じることで脳をリラックスさせ、心の健康を保っています。
実は豚肉には、モルヒネと同様の働きをする成分が含まれています。豚肉に含まれる「アラキドン酸」という脂肪酸が、体内にはいると「アナンダマイド」という物質に変わり、至福感をもたらすそうです。さらに「アナンダマイド」には、血管の緊張をほぐす働きもあり、高血圧や血栓を抑制することも判っています。